「外反母趾に悩んでいる」
「最終的には手術を検討している」
そんなあなたに書いています。
フットケア天王寺では、外反母趾をはじめ
足のさまざまなトラブルに対して歩行指導を通して症状を改善に導いてきました。
外反母趾は足の親指に変形や痛みをもたらす病気で、
履ける靴が限定されてきたり、長時間歩けないなどの支障が出てきます。
そんな外反母趾を治療しようとすると、
テーピング・揉みほぐし・指を広げるグッズ・指を鍛えるなど、さまざまな治療法が存在します。
しかし、いろんな治療法を試しても改善しなかったときには手術を検討される方は多いはずですが、
手術をしたからといって治るかどうかは別問題なのです。
今回の記事では、外反母趾治療の手術である「近位骨切り術」の解説から、
最後に当院で実施している「ゆるかかと歩き」の特徴まで紹介します。是非ご覧ください。
外反母趾の手術「近位骨切り術」とは?
外反母趾の治療で一般的な手術方法は主に3種類あり、
近位骨切り術は、骨幹部骨切り術や遠位骨切り術と並んで代表的な手術法になります。
近位骨切り術の方法
TMT関節(足根中足関節)から1〜2センチの部分である第一中足骨の基部を骨切りし、変形を矯正する手術法です。
近位骨切り術の種類
・Mann法
・proximal chevron法
・Lapidus法(TMT関節固定術)
近位骨切り術の実施にあたり、母趾種子骨の脱臼の改善からバニオン(肥大した滑液胞)の切除も行われます。
骨切した部分の固定には、キルシュナー鋼線やネジ・プレートが使われ、
術後1〜2週間固定されるのが一般的です。
また手術をした直後は、足に体重を乗せることができず、
全荷重できるようには4〜6週間かかります。
画像引用:外反母趾ガイドライン2014
どんな足に適応されるのか
手術は身長の伸びの終わりである骨端線が閉鎖した時期以降の
痛みが少なく、角度も小さい軽度の外反母趾から重症度の高い外反母趾にまで適応されます。
近位骨切り術のメリット
親指の変形と(第一中足骨の内反)と外反母趾の角度(HV角)が改善される
外反母趾角が30度〜45度の場合、90%の確率で外反母趾角が20度未満の改善が期待できます。
近位骨切り術のデメリット
侵襲が大きい
遠位骨切り術と比べて、侵襲(体へのストレス)が大きい
骨が短くなる
骨を切ることから中足骨が2〜3m m短くなる
再発の可能性
手術をしたとしても、再発することがあります。
外反母趾の再発の頻度は5/26足(EV level Ⅴ),3/28足(EV level Ⅲ),10/72足(EV level Ⅲ)と報告されている. 引用:外反母趾ガイドライン2014
可動域の減少
内反母趾
外反母趾とは反対に、親指が外に広がってしまう変形です。
中足痛
人差し指(第二や三中足骨頭)が痛くなることがある
骨壊死
感染症
体にメスを入れるため、感染症になる可能性があります。
偽関節
感染症を起こしてしまうと、骨の癒合がうまくいかずぐらぐらして安定しない偽関節になることもあります。
必ず痛みが取れるわけではない
手術をしたとしても10人に一人は痛みが残るとされています。
まとめ
近位骨切り術は、外反母趾角を矯正できる手術で、術後は角度の改善が期待できるでしょう。
しかし、手術をしても再発したり痛みが残ったりする可能性もあるため、
実施するかどうかは慎重に考えたほうが良さそうです。
当院では、外反母趾は歩き方から来ていると考え、
歩行を改善することで外反母趾角を改善させています。
もし、原因が歩き方だとすると
悪い立ち方や歩き方を変えない限りは、手術をしても再発する可能性が非常に高いほか
膝・股・腰・肩などに痛みが生じる可能性があります。
当院で指導している「ゆるかかと歩き」では
手術よりも安価で痛みなく改善し、歩行が身につけば再発する心配はなく、自分で健康な状態をキープできるのです。
また、近位骨切り術後は、80%の方が5キロ弱の歩行が可能になりますが
ゆるかかと歩きでは、コツを掴んだその瞬間から歩行距離が伸びます。
実際に私自身、15分以上歩けなかったのですが、5時間は歩けるようになったことから
外反母趾を治すにあたり、歩行改善も選択肢の一つに入れられてみてはいかがでしょうか?
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